子供と睡眠の関係 寝る子は育つは本当なのか?

子供と睡眠の関係 寝る子は育つは本当なのか?



昔から日本では「寝る子は育つ」と言われてきましたが、睡眠は子供にとってどんな関係があるのか、どんな影響を与えるのか、データや研究結果から見ていきまたいと思います。

子供は8~9時間寝るとテストの成績がよくなる

子供の学力、テスト成績と睡眠時間には関係はあるのか?

これはお子さんをお持ちの親は気になることではないでしょうか。
実際に睡眠時間と学力についての調査を行ったものが幾つかありますので、ご紹介します。

広島県平成十五年度『基礎・基本』定着状況調査報告書

広島県教育委員会が実施した「平成十五年度『基礎・基本』定着状況調査報告書」によると、小学五年生を対象に国語、算数のテスト結果と睡眠時間について調査しました。

その結果、睡眠時間が5時間、6時間、7時間、8時間と睡眠時間が長くなるにつれ子供のテスト成績がアップすることが分かりました。

ただし、長ければ長いほど良いわけではなく、7時間以上10時間未満でテスト結果は良くなりましたが、10時間以上寝ると成績が下がるようになりました。最も良かったのは8時間以上9時間未満でした。

全国学力テスト全国1位秋田県の調査

毎年4月に実施されている全国学力テスト。
ここ数年全国1位となることが多い秋田県が学力と睡眠に関する調査を実施しました。

その調査結果によると、秋田県の子供は全国の子供の平均より早起き傾向であることが分かったのです。
また、夜も早寝ということもわかりました。
さらに、睡眠時間は全国平均より長めだったのです。




小学生時代の睡眠が30分増えると中学生の時の不登校が減る

子供の睡眠時間と非行に関する調査結果は色々とあります。
その中で「不登校」と睡眠に関する調査結果をご紹介します。

小学生時代に睡眠時間が30分増えると、中学生になったときの不登校が減るというデータがあります。
なんとも不思議な調査結果です。

小学5年・6年生を対象した調査です。
平均8時間睡眠の小学生の睡眠時間を30分増やし、8時間30分にしたところ、中学生になったときの不登校が減ったそうです。

つまり、睡眠時間が短く寝不足だと不登校になる確率が増えるということになるわけです。

ですから、ご自分のお子さんが不登校でお悩みの方は、そのお子さんの睡眠時間を長くするように工夫すると、もしかしたら不登校解消の効果があるかもしれません。

では睡眠時間と不登校とどんな関係があるのでしょうか。次のような分析をされています。

子供が睡眠不足になると次のような悪影響が出ます。

・記憶力低下
・集中力低下
・反射神経低下

上記のような悪影響が、3日間、40分の睡眠時間を減らしただけで起こることが実験結果から分かりました。

ですから、「寝る子は育つ」というのは事実なのでしょう。

子供の自殺と睡眠時間・就寝時間の関係

子供の自殺と睡眠に関係・関連はあるのか、幾つかの調査結果があります。
日本ではなく外国の報告です。

朝鮮日報(2015.5.1 )に掲載された記事から引用します。

韓国の子どもが自殺を選ぶ理由 韓国の小中高校生 2割が自殺衝動を経験

【ソウル聯合ニュース】韓国の小中高校生の5人に1人は自殺したい衝動に駆られた経験があることが1日、延世大・社会発展研究所の研究報告書で明らかになった。

3~4月に小学4~6年生2091人、中学生2611人、高校生2829人を対象に調査したところ、全体の19.8%が自殺衝動に駆られたことがあると答えた。比率は小学生が14.3%、中学生が19.5%、高校生が24.0%。

また、小学生は睡眠時間が長いほど自殺衝動を経験した比率が低かった。

自殺を考えたことがあるとの回答率は、睡眠時間が8時間未満の児童は20.4%、8~9時間の児童は12.8%、9時間超の児童は12.3%だった。

一方、韓国の児童・青少年の主観的な幸福度は経済協力開発機構(OECD)に加盟する23カ国のうち19位と算定された。最も高かったのはスペインで、最下位は米国だった。

この調査結果から、睡眠時間が少ないほど自殺衝動を経験した比率が高い結果になりました。

次にアメリカの調査結果です。
子供の自殺と睡眠の関係を約1万5千人対象に行いました。

睡眠時間ではなく、何時に寝たかという「就寝時間」の違いを調査しました。
その結果が以下の通りです。

・22時までに寝る
・0時以降に寝る→うつ病24%UP、自殺を考える20%UP

この結果から、子供は深夜0時以降になると、自殺を考えやすくなるという結果になったそうです。

ですから、子供は22時までに寝るのが良いという結論になっています。

大人に限らず子供にとっても睡眠は重要だということが分かります。
お子さんをお持ちの人は、子供の睡眠に気を配ることが大切でしょう。

※ここでご紹介しているのは、研究結果・調査結果の一つによるものです。
参考程度にして下さい。

まとめ

大人も子供も睡眠はとても重要です。

特に最近はスマホやゲームなどを夜遅くまで使う子供が増えていますので、その結果睡眠不足になったり、睡眠が不規則になることは様々な悪影響を及ぼしますので、注意しましょう。