健康寿命が大事
日本人の平均寿命は男女共に80歳台に突入しましたが、40代、50代くらいになると、「衰え」が自分で自覚できるようになっていきます。
寝ても疲れが取れない、階段を上ると息切れする、お腹がぽっこり出て足が細くなった等々。
老眼も多くの中高年が衰えを感じるきっかけになることでしょう。
また、目の次に衰えを感じるのが口かもしれません。
加齢と共に歯の数が減り、やがて入れ歯になる人も大勢います。
平均寿命が長くなっても、健康寿命が短ければ意味がありません。
健康寿命とは、平均寿命のうち健康で活動的に暮らせる期間のことで、WHO(世界保健機関)が提唱した指標です。
長生きするなら、できる限り健康で、日常的に医療の世話になったり、介護に依存せずに自立した生活ができるようにありたいものです。
そして、いつまでも若々しくいられるように、健康・アンチエイジングが日本では注目されています。
そこで注目したいのがカラオケです。
歌うのが好きでカラオケが趣味という人はとても多いですが、カラオケで歌うことが健康やアンチエイジングに効果があると言われています。
そこで、カラオケの健康・アンチエイジング効果を見ていきます。
唾液の分泌量が増える
歌を歌うと口腔内の唾液量が増えることが実験結果から分かっています。
60歳以上の男女を対象に行った実験で、カラオケで3曲歌ったときの前後の唾液量を比べてました。
その結果、歌を歌うことの好き嫌いや上手い下手の如何に問わず、カラオケで歌った後のほうが唾液量が増えました。
唾液にはとても大きな役割が幾つもあります。
基本的に食べ物を飲み込みやすくしたり、言葉がスムーズに出るようにしたりする働きがありますが、それだけではなく口腔粘膜の保護や洗浄、殺菌、抗菌などの健康維持に欠かせない作用があります。
唾液には抗菌物質が含まれているため、体内に入ってくる細菌・ウイルスから体を守る働きがあります。
唾液がしっかり出ていると虫歯予防効果や、口臭予防効果もあります。
また、唾液には脳の老化防止、つまり認知症予防効果まであることが研究結果から分かっています。
そんな唾液ですが加齢と共に減る傾向があります。
さらに最近ではドライマウスに悩む人増え、患者数は全国で800万人以上とも言われています。
カラオケで歌うことで唾液が増えることが分かっていますので、様々な健康効果が期待できます。
ストレスが軽減される免疫力がアップする
歌うことでストレスにどのような影響を与えるかの実験があります。
歌を歌うことで、ストレスホルモンがどう変化するという実験です。
その結果、ストレスホルモンであるコルチゾール、分泌型igAが歌った後に減少しました。
またアドレナリンも減少しています。
つまり、カラオケで歌うとストレスが軽減される効果があるこということです。
また、歌っているときの脳波を測定すると、脳波がベータ波からアルファ波に変わり、心身がリラックスすることも分かっています。
女性特有の病気予防効果がある
埼玉医科大学短期大学の音楽療法に関する研究結果によると、感情豊かに歌を歌うと、視床下部や脳下垂体が刺激され、性腺刺激ホルモンの分泌が活性化されたことが分かったそうです。
脳下垂体は性腺刺激ホルモンだけでなく、エストロゲン(女性ホルモン)、テストロゲン(男性ホルモン)も分泌されます。
歌を歌うことで、性に関するホルモン分泌が活性化します。
中高年女性が更年期に様々な疾患にかかるのは、女性ホルモンの変化が関係しています。
エストロゲンの分泌は閉経前後5~10年間で急激に減少します。
そのため、60~70代になると男性よりも女性のほうが血管や血液の疾患が増加すると言われています。
歌うことでエストロゲンの分泌が増えれば、中高年女性特有の疾患予防が期待できます。
認知症予防になる
歌を歌うと脳が活性化することが実験から分かっています。
歌うことで脳底動脈をはじめとする脳血管の血行が促進する作用があり、脳の血管性疾患の予防になります。
また、歌詞を覚えると物忘れの予防にもなる、言ってみれば脳トレになります。
まとめ
カラオケで大声で自分の好きな歌を歌うと、すっきりします。
それだけでもストレス発散になりますし、心理的な良い効果があるでしょうが、それ以外にも体の健康のため、アンチエイジングのための効果があることが、多くの実験結果から分かっています。
良いことずくめのカラオケを楽しみましょう。