対人心理学を使って人間関係・仕事を円滑にしよう 5つの基本テクニック

心理学テクニックを使って人間関係・仕事を円滑にしよう 5つの基本テクニック



心理学は人間関係を円滑にする知恵

人間の行動は心(心理)の影響を受けています。
それを科学的アプローチで研究しているのが「心理学」。

心理学は、人間社会の中でより良く生きるための知恵と言っても過言ではないでしょう。
何故なら人は深層心理の影響を受けて行動するものだからです。

そこで、日常生活の人間関係の中で使えそうな心理学テクニックの代表的なものをご紹介します。

心理学を上手に使うことで、人間関係を円滑にすることができるでしょう。

●好意の返報性

人は自分のことを好きになってくれた相手に好感を抱く。

人間社会には、「返報性(互恵性)」というものがあります。

これは、人は他人から何らかの報酬を受けた場合、与えた人にお返しをしなければならないという感情を抱く心理状態のことで、心理学では「返報性の原理」といいます。

この人間心理はビジネスの世界では頻繁に使われています。

その最たるものが、デパートやスーパーなどの食品売り場の試食です。

お客は店員から直接食品を手渡される試食することにより、その試食したものが美味い不味いに関わらずその商品を買わなければいけないという心理になってしまうことが多い。

これは男女の関係にも広く使うことができます。

自分が気になっている異性に、自分が好意があることを伝えることです。

あなたのことが余程嫌いでない限り、異性から好意を伝えられれば悪い気はしませんし、その気持ちに応えたいと気持ちになります。

人間は、自分のことを好きになってくれた相手に好感を抱きやすい傾向があります。

それは、人間は誰でも人に認められたい、評価されたいという欲求があるので、その欲求を満たしてくれた人を好きになりやすいのです。

ですから、相手の好意を伝えて1度うまくいかなかったとしても、2回目の告白がより効果的になるという場合もあるのです。



●フット・イン・ザ・ドア

まずは小さな誘いから成功させる。

フット・イン・ザ・ドア」とは、営業やセールスなどで使われる説得のための心理テクニック。

どういうテクニックかというと、セールスマンが商品やサービスを営業する際、訪問先のドアに足を入れることができれば商品やサービスを売ることができるというものです。

つまり、物事は小さなことから進めていけば、その後のもっと大きなものを成功させることができるという心理テクニックです。

例えば、本当は50万円の商品を売りたいけど、いきなりだと断られる。

そこで、まずは5万円の商品を買ってもらい、その商品の良さを実感してもらった後に、もっとより良いサービスを受けられると50万年の商品を売り込むというやり方です。

このように、いきなり50万円の商品を買うのは抵抗があっても、一度5万円の商品を買っていると、心理的障壁が低くなり、次の50万円の商品も比較的すんなりと買ってしまうのです。

人は一度でも相手からの要求を飲むと、その相手の次の要求も飲んでくれる確率が高くなるので、最初は小さなお願いから始めるといいのです。

この心理テクニックは、ビジネスだけでなく、人間関係、恋愛にもそのまま使うことができるのです。

●自己開示効果

子供の頃の話をする。

自己開示」ということを誤解している方がいます。

自己開示とは、自分の心、気持ちを打ち明けることではありません。

自分の内面を打ち明けるのはなく、自分の生活を教える、それが本当の自己開示です。

例えば異性に対して、まだ2、3回顔を合わせたくらいでお互いのことを何も知らない状態で、『あなたが好きです』と言われても、困るでしょう。

もしこういう状態でも嬉しがる、簡単に受け入れるようなら、あなたは悪い異性に騙される人かもしれません。

そうではなく、あなたが気になる異性がいる、その異性に振り向いてもらいたいと思うなら、なるべく早い段階で、あなたの過去から現在までの生活を話すといいでしょう。

特に子供の頃のことを具体的に話すと効果的です。

ちなみに、過去の話といっても、男性関係の話はやめましょう。

あなたが子供の頃の話をしても、相手の異性がまったく興味をしめさない場合は、その異性は遊び程度にしか思っていない、あなたに全く興味がない可能性があります。

人は、相手のことを好きになったら、なんでもいいから相手のことを知りたくなるものだからです。

これは何も異性に限ったテクニックではなく、同性相手でも同様ですし、仕事上の相手に対してもそのまま当てはまります。

相手に子供の頃の話をして、相手がその話を興味深そうに聞いてくれたら、現在の話をするようにしましょう。

自己開示することで、相手との距離が縮まります。

●マイナス一致の感情効果

共通の敵、嫌いなものが同じだとうまくいく。

男性が会社帰りに飲み屋で同僚と飲む。
サラリーマンのごく一般的な日常です。
そこでの会話のほとんどは会社内の愚痴、悪口です。

男性同士だと、一通り悪口を言うとお開きになります。

ですが、女性同士は違います。
その場にいない同僚の悪口、社内の噂話から始まって、男性社員の話から恋愛話へと発展していきます。

この男女の会話の違いを使います。
男性が会社の●●部長の悪口を言ったといます。
あなたはそれに乗ります。
『そういえば、●●部長の評判でよくないよね』
こうなると、その男性とあなたは共通の敵ができることになるので、距離が縮まります。
男女に共通の敵がいるとうまくいきます。

テレビを観ていて、男性が『このAは嫌いなんだよね』と言ったとします。
あなたがそれに同調して話を合わせるのは、今言ったテクニックですが、本当にあなたもAが嫌いなら、価値観が同じなので、うまくいく可能性があります。

好きなものより、嫌いなものが同じほうが価値観の一致として有効です。

それが「マイナス一致の感情効果」です。

ちなみに男性にとって価値観は信念ですから、女性に言われたくらいでは簡単には変えませんので、無理に否定して相手の価値観を変えさせようとするのはやめましょう。

●ミラーリング

相手と同じ行動をとることで相手は勝手に親近感を持つ。

人間関係において相手と仲良くなるのは簡単ではありません。

しかし、ある心理学に基づく方法を使うことで、相手とすぐに打ち解けることができます。
その方法が「ミラーリング」です。

ミラーリングとは、読んで字のごとく、「ミラー=鏡」のように相手と同じ行動をとることです。

例えば、相手が髪の毛を触ったら自分も髪の毛を触る、相手が飲み物を飲んだら自分も飲み物を飲む、相手が笑ったら自分も笑う。

このように、鏡のように相手の行動を真似るだけです。

相手の行動を真似するだけで、相手はこちらに対して親近感を持ち、打ち解けやすくなります。

この効果は心理学の実験でも実証されています。

ただし、一つだけ注意点があります。
それは相手がミラーリングを知っている場合は通用しないということです。

ですから、ミラーリングをして相手の表情が曇るような場合は、ミラーリングを知っていると判断し、すぐにやめるようにしましょう。

まとめ

心理学は、私達の生活の中で効果を発揮する場面が実はたくさんあります。

ここでは5つだけご紹介しましたが、他にも数多くのテクニックがあります。

知人友人や恋人とのコミュニケーションや仕事上の様々な人間関係まで、心理学テクニックを上手に活用して人間関係を円滑にしましょう。