カロリー制限で長生きする
最新研究で、カロリー制限したサルのほうが長生きしたという研究結果が発表されました。
二つの研究チームは米国のウィスコンシン大学と国立加齢研究所。いずれも、好きなだけ食べさせる集団と、それよりも摂取カロリー量を3割減らした集団で生存年数などを比較する実験をしているが、大学は2009年と14年に「効果あり」、研究所は12年に「効果はなかった」と発表していた。
今回、両チームで15年7月までの互いの実験を比べると、カロリー制限を始めた年齢が大学は大人の7~15歳なのに対し、研究所は1~23歳と幅広かった。このため、研究所のデータについて、実験開始時の年齢を若年(1~14歳)と中高年(16~23歳)に分けて改めて解析すると、若年でカロリー制限を始めた場合は寿命が延びる効果はみられなかったが、中高年で始めた場合は効果がみられ、特にオスは平均寿命の推計が全体よりも9歳ほど長い約35歳だったという。
引用:朝日新聞デジタル
摂取カロリー量を3割減らす、つまり「カロリー7分目」によって、サルの平均寿命26歳が35歳まで延びました。
これを人間にあてはめると、今現在日本人の平均寿命が約80歳ですから、100歳を超えるようになるということです。
また若いサルよりもシニアのサルのほうがカロリー制限で長生きすることが分かりました。
若いころにカロリー制限したサルは栄養障害で早く死亡するサルもいたということで、シニアになってからカロリー制限するとメリットが多いという結果になっています。
さらに注目する点が、単に寿命が延びただけでなく健康にも良い効果があることが分かりました。
カロリー制限したサルは、病気になる確率が37~50%も低かったのです。
がんの発生率も15~20%ほど低い結果になりました。
また、糖尿病や脳卒中など加齢に伴う病気もより遅く発症していました。
人間も同じ効果があるのか?
アカゲザルの実験は分かった、では人間にも当てはまるのか?
そこが問題です。
この実験データはサルによるものですが、約30年という長期間に及ぶ研究データは、人間にも置き換えることができると見られています。
アカゲザルの実験以前にも多くの動物で実験が行われてきました。
その結果、どの動物でも長生き効果があることが分かっています。
・アメーバなど原生生物:1,9倍
・ミジンコ:1,7倍
・サラグモ:1,8倍
・グッピー:1,4倍
・ネズミ:1,4倍
・アカゲザル:約1,3倍
専門家は『カロリー制限で人間が長寿になれる可能性もある』と語っています。
何故ならどの生物で実験しても、カロリー制限すると長生きしてするという結果が出ているからです。
例外はありません。
だから、人間だけ効果がないと考えるのは無理があるということです。
ただし、上の結果でも分かる通り、下等生物ほど長寿効果があり、高等生物になるにつれその長寿効果の幅が少なくなるので、人間の遺伝子に近いアカゲザルの実験が必要だったわけです。
長寿遺伝子がONになる
では何故、カロリーを7割にすると長生きするのか?
それはカロリー制限すると「長寿遺伝子」がONになり活性化するからとされています。
長寿遺伝子は誰でもが持っています。
しかし、普段はスイッチがOFFの状態になっています。
それがカロリーを制限するとスイッチがONになり活性化し、その結果老化の原因である活性酸素や紫外線から体を守る働きをするからと言われています。
長寿遺伝子は誰でもが持っているのですが、スイッチがONの人とOFFの人がいることが研究結果から分かっています。
長寿の人を調べると長寿遺伝子がONになっていて、短命の人を調べると長寿遺伝子がOFFになっていたのです。
ですから長生きするには、いかに長寿遺伝子をONにするかどうかということなのです。
まとめ
少食の有名人は数多くいます。
「1日1食」を実践していることで有名なのはビートたけし(北野武)さん、タモリさん、水谷豊さんなどとても多いのです。
シニア世代になったらカロリーを7割程度にすると長寿遺伝子が活性化し、長生きする効果があることが分かりましたので、無理がない範囲で試してみてはいかがでしょうか?