食糧備蓄ガイド 大地震などの自然災害に備え今から準備しよう

食糧備蓄ガイド 防災対策




今後、大地震などの自然災害がいつ起こるか分かりません。
1つだけでも大変ですが、複合的、連鎖的に発生する可能性もあります。
そこで、以下の3つの「備蓄」がおすすめです。

・経済備蓄
・食糧備蓄
・物資備蓄

ここでは、「食糧備蓄」に絞り、備蓄をする際の具体的ポイントをご紹介していきます。

食糧備蓄のポイント

「食糧備蓄」をする上で最も重要なのは、「どれくらいの期間を想定すればいいのか」ということです。

備蓄期間は長ければ長いほうがいいのは当然ですが、現実問題経済的理由や保管場所などの問題で無制限にできるものではありません。
そこで参考にしたいのが、大地震が発生したときのライフラインの断絶期間です。

●ライフライン断絶予測期間

・水:40日間(阪神・淡路大震災:42日)
・電力:27日間(阪神・淡路大震災:6日)
・電話:14日間
・都市ガス:50日間(阪神・淡路大震災:85日)

ライフラインの断絶期間から考えて、最低3ヵ月間というのが目安になるでしょう。
もし経済的にも保管場所にも余裕があるなら6ヵ月から1年の備蓄ができれば安心です。

備蓄をする際のポイントがあります。

●備蓄の4つのポイント

1,賞味期限・有効期限ができるだけ長いものを選ぶ。

2,購入時期を変えて賞味期限・有効期限が同じにならないようにする。

3,保管する場合は重く硬いものはなるべく低い位置で保管する。

4,食糧は冷暗所に保管する。高温多湿日光が当たる場所は避ける。

それでは順に見ていきます。

食糧備蓄

1,水

備蓄の目的は生命維持。
生命維持に一番重要なのはなんといっても水です。

人が1日に必要な水分量は2~3リットルと言われていますが、非常時なら1リットルを目安にするといいでしょう。
つまり人は多くの水がなければ生きていけないということです。
ですから、場所を確保できるなら、なるべく余裕を持って水を保管することが理想的です。

もちろん、災害時には各地で給水活動が行われますが、タンクを持って給水所の長蛇の列に並ぶのはかなりの負担になりますし、配給される水の量には限界がありますので、あらかじめ水を備蓄しておくと安心です。

通常のミネラルウォーターの賞味期限は2年ほどです。

防災用品として扱われている保存水の多くは5年~10年の長期保存ができますので、購入して備蓄しておきましょう。

水の備蓄量には限度がありますので、折りたたみポリタンクを用意しておき、災害が起こった場合には速やかに水道水をポリタンクに詰め、備蓄するようにするようにしましょう。

また、水は飲料としてだけではなく、洗い物・入浴・トイレなどの衛生面でも欠かせないものです。
そこで日頃から、風呂の湯船の水は流さずに残しておき、有事の際には飲料水以外に使えるようにしておくと何かと便利です。

2,米

食糧備蓄する上で主食となる米は水と並んで最重要です。

精白後の白米は、皮をはがれた状態で日数の経過と共に酸化等により劣化していきます。
さらに、コクゾウムシなども多数発生しますので、米を備蓄する場合は玄米がベストです。

日本政府は米を備蓄していますが、やはり玄米です。
玄米ももちろん劣化しますが、白米よりもはるかに長期間の保存が可能です。
また、大きな冷蔵庫があるなら、冷蔵することによりほとんど劣化することなく品質を保つことができます。

しかし、ほとんどのご家庭では、米を冷蔵保存するスペースはないでしょうから、高温多湿の場所は避け、なるべく風通しのいい場所で玄米を備蓄するようにしましょう。

もし、籾の状態で備蓄できるならさらに長期間保存が可能です。

なお、玄米は、白米より農薬が多く残っている可能性があるため、減農薬・無農薬栽培のものをおすすめします。

玄米を保存する場合、ペットボトルに入れて保管する方法と、長期保存ができる専用袋を使う方法と大きく2種類あります。

長期保存ができる米備蓄専用袋で人気なのが「ネルパック」です。



3,缶詰

缶詰は、水と米と併せて「食糧備蓄の三本柱」です。

缶詰は、空気を完全遮断できるので賞味期限が2~3年と長いので、賞味期限を神経質に気にする必要がないところが最大の利点です。
長いものだと5年以上のものもあります。

缶詰の種類ですが、魚、肉、豆は貴重なタンパク源です。
非常時では手に入りにくい野菜の缶詰もいいです。ビタミンを摂取できます。
他に、果物、シチュー、スープなど調理いらずの缶詰も揃えたいものです。

缶詰はなるべく多く備蓄したいので、百均(100円ショップ)などでまとめて買うといいでしょう。

缶詰を揃える際のポイントは下記の通りです。

1,缶切りがいらないプルトップのものを選ぶ
2,買う際に保存期間を確認し、なるべく長い(2年以上)ものを選ぶ
3,偏らないようにバランスよく多種類を揃える

缶詰を保管する際は、缶詰は硬く重いので必ず低い場所で保管するようにして下さい。
もし大地震が起こった場合、高い場所で保管していると、缶詰が飛んだり落ちてきて凶器になり危険です。
低い場所で保管していれば、仮に飛んだとしても危険性はありません。

4,レトルト食品

食糧備蓄のおかずとして、「缶詰」と並んで重宝するのが「レトルト食品」です。

カレー、ハヤシライス、牛丼、親子丼など種類も豊富です。
カレー一つとっても、ビーフカレー、ポークカレー、チキンカレーなどバラエティに富んでいますので、長期にわたる非常時に味に変化をもたせることができ便利です。

調理も簡単で、電子レンジでチンするか、お湯で温めれば即OK。
防災仕様のレトルト食品の中には温めなくても美味しく食べられるものもあります。

価格も安く、百均(100円ショップ)でほとんど揃えられます。

注意点は、賞味期限。
レトルトは缶詰と違い、空気を完全遮断できませんので、どうしても中身が酸化するため、缶詰より賞味期限が短いので注意が必要です。
できるかぎり賞味期限が長いものを選ぶといいでしょう。

5,麺類

主食はやはり米がメインですが、米だけではどうしても飽きますので、第二の主食として麺類(乾麺)がオススメです。

麺類(乾麺)には、ラーメン、蕎麦、うどん、ソーメン、パスタなど様々なものがありますので色々揃えるといいでしょう。

麺類の備蓄で最も重要なのはなんといっても賞味期限です。
できるかぎり賞味期限が1年以上のものを選びましょう。

蕎麦(そば)やパスタは賞味期限が長い(1~3年)ので特にオススメです。
特にパスタは比較的安価ですから、業務用パスタを買うといいでしょう。

6,調味料

調味料があれば様々な味のバリエーションを加えることができますのでとても大切です。

例えば、おにぎり。
まったく味のないおにぎりも悪くはありませんが、これに塩だけ足した「塩おにぎり」の美味しさは誰もが体験したことがあると思います。塩があるだけで満足度は全然違ってきますので調味料は偉大です。

調味料には賞味期限がないものもありますので、必ず備蓄品に加えましょう。

●塩

賞味期限がないので必須です。
期限を気にする必要がないのは嬉しいです。
塩は、食欲を増進しますので便利で重宝な調味料です。

●砂糖

賞味期限がないので備蓄に最適です。
非常時や疲労時に糖分は大切なので砂糖も備蓄しておきましょう。

●醤油、味噌

醤油、味噌は発酵食品なのであまり賞味期限は長くなりませんので、賞味期限には注意しましょう。

醤油味噌があると料理の幅が広がります。

7,嗜好品・菓子

非常生活が長期化するとストレスがたまります。
特に避難所生活だとストレスや疲れが顕著になります。
そんなときに自分の好きな嗜好品を口にするだけで元気になるものです。

勿論、適量というのが前提ですが、それさえ守れるなら、お酒、タバコなども問題ありません。
コーヒー、お茶など自分が好きな嗜好品を備蓄しておくとストレス下で元気の源になります。

また、保存期間が長いもので好きな菓子があるなら、菓子類も備蓄しましょう。
特におすすめなのが、チョコレートとアメです。

保存期間が長いハイカロリーのチョコレートは、疲れているときに最適です。
固形チョコは夏場には不向きなので、液体チョコがおすすめです。

長期保存のアメもカロリーが高く、口寂しさを忘れさせてくれますので備蓄に入れておくといいでしょう。

8,肉・魚・野菜

缶詰やレトルト食品ばかりが続くと飽きてきますので、肉や魚や野菜などの生鮮食品も可能ならば備蓄しておきたいものです。

そこで、少し大きめの冷凍庫を購入し、日頃から生鮮食品を保存するようにするといいでしょう。

まとめ

人の生命維持に食糧は欠かせません。

大地震などの有事の際に、慌てないように今のうちから、食糧と水を確保しておきましょう。